よこやま整形外科 手とリウマチクリニック

コラム column

2022.04.20

指の変形で困っていませんか?
第3弾 手術治療<へバーデン結節&ブシャール結節編>

これまでのコラムでは、まずはへバーデン結節やブシャール結節の予防に対してのエクオールサプリメントの内服について、つぎに痛みが強い方へのリング装着についてお話ししました。今回は痛みが強く、指が曲げられず日常生活に強い制限を生じた方への手術療法について説明します。

へバーデン結節に対する手術には、主に2つの方法があります。

  • 骨棘切除および嚢胞切除手術

ヘバーデン結節では、骨棘という骨の出っ張りが痛みの原因のひとつです。また、変形した関節から発生する嚢胞がさらに見かけを悪くします。そのため、手術では角のように出っ張った骨棘を切除します。嚢胞があれば骨棘とともに切除します。関節が動かなくなるのは困るという方にすすめられる方法です。

見かけは改善しますが、痛みが改善するまで時間がかかるのが欠点です。

  • 関節固定手術

痛んだ関節部分を切除して、骨内にスクリューや鋼線を挿入して関節を固定する手術です。

関節固定を行った部分が癒合すれば痛みはなくなり、力強くつまむことが可能となります。ただし、第1関節は曲がらなくなる欠点がありますので、細かいことをしたり、ゴルフクラブを握ったりすることにやや不便を感じることがあります。

いずれの手術も局所麻酔で行うことが可能であり、入院の必要はありません。

  • ブシャール結節に対しての手術

ブシャール結節はへバーデン結節よりも頻度は少ないが、40~50歳代で手指をよく使う方に多く発生します。

指の第2関節が変形して症状が出るのが特徴です。腫れて炎症を起こし、関節をしっかりと伸ばせなくなってきます。進行すると曲がりも悪くなり、しっかりと握ることもできなくなります。

第2関節は曲がらないと物をしっかりと握れなくなるため、生活上 かなり不便となるため積極的な治療が必要となります。日常生活では、へバーデン結節よりもブシャール結節の方がより問題となります。

上記はブシャール結節のレントゲンですが、第2関節の隙間はなくなり、骨棘も著しい状態です。このままではかなりの運動制限が出ますので、手術を選択する望まれるケースが多くなります。

変形が進行した場合の手術は人工関節置換手術となります。手術は局所麻酔で40分程度となります。

手術後の状態です。ブシャール結節に対する手術ではよく曲がる指になることを目指します。手術後にしっかりとリハビリを行っていただくことが肝心です。

第1関節、第2関節が痛くてお困りの方、曲がらなくてお困りの方、どうぞご相談にいらしてください。

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